マンスリーレポート
【NEW】三鷹の森ジブリ美術館 2025年10月 マンスリーレポート
1階常設展示室「トレース&彩色」― 仕上げ 彩色、命を吹き込まれるキャラクターたち
前工程にて描かれた動画は透明なセル板にうつされ、彩色される。まさに、キャラクターたちに命が吹き込まれる瞬間といえよう。常設展示室では、この「仕上げ」の仕事場の様子も表現されている。現代ではデジタル化され、コンピューターで色を指定して彩色を行っているが、当時は一枚一枚、絵の具を調合して色をつくって塗る作業を行っていた。また壁画には、仕上げ作業が主に女性中心の仕事だった頃のアニメーションスタジオの様子が描かれている。そんな当時の彩色工程の雰囲気を楽しんでほしい。
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◆ トレース&彩色の実例 ◆
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▲昔はペンでトレースされていたが、後にトレースマシンが登場。透明なセルにトレースされた絵は、裏から一色ずつ重ねながら彩色されていく。つまり絵の具を乾かす時間も必要であり、これを十数万枚もつくるのだから、根気と時間が必要な作業であったことが想像できる。
◆ 1作品に何色?細やかな色指定 ◆
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▲色指定とは、セルに塗る色の指示のこと。1作品に600~700の色が使用されており、細かく色番号が指定される。色番号は現代のようにRGB数値で指定されるのではなく、プロダクションによって各々が勝手に命名したもの。調合具合によって色は変わるため、同じ色を2度つくるのは簡単ではなく、事前にそれぞれの色がどれくらい使われるかを想定して用意されていた。
© Museo d’Arte Ghibli
Photo /村上宗一郎
(月刊ローチケ10月号 掲載)
※11/4[火]~18[火]は展示替えのため休館となります。
※過去のマンスリーレポートにて掲載の内容に関しまして、既に終了しているイベント・展示・メニューがあります。
予めご了承願います。
◆チケットは事前予約制◆