廃棄物削減
ローソングループでは、食品廃棄物をはじめ、ペットボトル、段ボールなどを廃棄物として排出しています。また、店舗の建設時や改装時には建設資材等の産業廃棄物も排出しています。そこで、環境に対する負荷や汚染を防止するため、ローソングループは環境方針に基づき、廃棄物の削減及び適正な処理に取り組んでいます。
特に、廃棄物の中でも食品ロスの削減はひじょうに重要な課題ととらえ、「発生抑制」と「再生利用」を組み合わせて食品ロスの削減に取り組んでいます。
店舗廃棄物の排出量を測定
ローソンでは、廃棄物の削減やリサイクルを促進する上での基礎データにするため、店舗の廃棄物の実態調査を継続して行っています。
2020年度の食品を除く廃棄物は1店舗1日当たり32.0kg(東京都内約450店舗の実績)。同じく売れ残り食品は5.5kg、食用油(廃油)は2.4kg、合計7.9kgを排出しました(食品リサイクル実施店舗約2,700店の実績)。
●1店舗1日当たりの廃棄物量推計

食品廃棄物とそれ以外の廃棄物を合計すると39.9kgになります
期間:2020年4月1日~2021年3月31日
店舗の食品廃棄物を削減するための取り組み
発生抑制と再生利用の促進
店舗から排出される食品廃棄物は、販売許容期限※を過ぎた弁当類(売れ残り食品)と、ファストフードの調理に使った食用油(廃油)などを合わせて、1店舗1日当たり平均で約7.9kgを排出しています。この食品廃棄物の削減のため、発生抑制と再生利用(廃油リサイクル、売れ残り食品の飼料化・肥料化)を中心に取り組んでいます。
食品リサイクル等実施率は58.4%
ローソングループでは、売れ残り食品の有効活用と食品リサイクル法を踏まえ、食品リサイクル等実施率の向上に努めています。2007年度の実績(22.5%)を基準に2008年度から毎年2%以上の改善を目指して取り組み、2020年度は法定目標48.5%に対し58.4%の結果となりました。
※販売許容期限:お客さまにより安全な商品を安心してお買い求めいただくために、「消費期限」の前に自主的に設定した期限です。

●ローソングループ食品リサイクル等実施率及び実施店舗数の推移

取り組み(1)発生抑制
■余分な商品、ムダな廃棄を出さない仕組み
廃棄物の発生抑制に向け、製造段階では、原材料の投入量、出来高量、盛り付け量など、すべてグラム単位で計量して商品を製造する「生産加工管理システム」を導入しています。
店舗ではお弁当やおにぎり、調理パンなどの商品の発注に「セミオート(半自動)発注システム」を導入しています。これは個店ごとの売上動向や客層の情報、天気などのさまざまな情報を分析して「自店に最適な品揃え」と「商品別の発注数」を自動的に推奨するシステムです。その上で、発注者が地域行事などを考慮して品揃えと発注数を検討することで、さらに発注精度を向上させています。お客さまにとって欲しい商品がいつでもあるように、品揃えと発注数を適正化することによりムダな廃棄を抑制しています。また、店内で調理を行う「まちかど厨房」では、お客さまの動向に合わせて製造をコントロールしています。
さらに、店舗での売れ残り商品を削減する取り組みの一環として、POSレジの値引きキーと消耗品登録している値引きシールを活用した値引き販売を推奨しています。消費期限の短い中食商品や店内調理のファストフード、まちかど厨房の商品などで値引き販売を実施しています。


取り組み(2)再生利用 - 廃油リサイクル
■廃油のリサイクルを全国14,112店舗で実施中
2006年1月から開始した廃油リサイクルは、2021年3月末時点で、グループ計14,112店舗で実施しています。店舗から排出された廃油は産業廃棄物の収集運搬業者が回収し、リサイクル工場に搬入。飼料用添加剤(家畜のエサの材料)、バイオディーゼル燃料や無添加石けんなどに再生されます。
廃油のリサイクルは、一定基準を満たしたお取引先を本部が店舗に推奨し、東日本・西日本・九州地区3社の管理会社を通して取り組みを進めています。本部・管理会社・本部推奨取引先が一体となり、法令順守をはじめ、管理レベルや回収サービスレベルの向上を目指しています。
年に1回、全国の推奨取引先と「全国廃油取引先会議」※を開催し、意見交換を行いながら課題の解決や情報の共有等を行っています。
※新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するため、2020年度は「全国廃油取引先会議」の実施を見合わせました。



取り組み(3)再生利用 - 食品リサイクル
■売れ残り食品の飼料化・肥料化リサイクル
2006年5月から開始した売れ残り食品のリサイクルは、2021年3月末時点で、グループ計2,634店舗で実施しています。販売許容期限を過ぎた弁当類は、飼料(豚やニワトリのエサ)や肥料にリサイクルされています。
ローソングループでは、食品リサイクル工場や収集運搬会社の選定、処理コスト面等の課題を解決しながら、持続可能なリサイクルの実施地区拡大に取り組んでいます。
富山県や新潟県長岡市では、売れ残り食品を発酵させて発生したバイオガス※を利用して発電事業を行っています。
※バイオガス:生ごみや生物の排泄物、作物の発酵により発生するガスで、燃料として利用できます。
●売れ残り食品のリサイクル実施エリア

■食品リサイクルの事例1
福岡市では、売れ残り食品の飼料化リサイクルを2014年10月から実施しています。店舗から排出される売れ残り食品は、株式会社環境エイジェンシーの食品リサイクル工場に運搬され、破砕後、減圧・乾燥により飼料製品に加工、養豚農家や飼料メーカーへ出荷されます。

■食品リサイクルの事例2
富山県では、富山市・射水市・上市町・立山町・舟橋村・滑川市の6市町村で売れ残り食品のリサイクルを実施しています。店舗から排出される売れ残り食品は富山グリーンフードリサイクル株式会社へ運搬され、発酵させてバイオガスと発酵液を作ります。バイオガスは発電に使用され、工場の電力に活用されます。発酵液は剪定した枝をチップにしたものに混合され、肥料になります。
