TNFD提言への取り組み

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自然資本、生物多様性に対する基本的な考え方

ローソングループ(以下、グループ)は、グループ理念「私たちは“みんなと暮らすマチ”を幸せにします。」の実現を目指し、豊かな地球の恵みを次世代へ引き継ぐため、常に自然環境及び地域社会に配慮した事業活動を行うとともに、地域社会との共生と持続可能な発展に向けて積極的に行動することを「ローソングループ環境方針」※1の基本理念として掲げています。
グループの中核会社である株式会社ローソン(以下、当社)は、事業活動を進める上で重要と考える課題を、事業方針の「3つの約束」をもとに、当社のバリューチェーンにおける取り組みについて社会課題・情勢などに鑑み、重点課題(マテリアリティ)※2として設定しています。重点課題は小売業にとって最も重要な安全・安心、社会インフラとしての取り組みを強調し、お客さま起点で決定しています。環境保全への取り組みは、事業方針「3つの約束」の「地球(マチ)への優しさ」に基づき、「脱炭素社会への持続可能な環境保全活動」として社会・環境面に関わる目標(KPI)を策定し、達成に向けてチャレンジしています。
当社は、2023年12月にTNFD※3の理念に賛同し、2024年1月にはTNFDの開示提言を早期採用する「TNFD Early Adopter」に登録しました。グループとして従来から継続している自然資本への取り組みを、TNFD提言に基づき整理した上で、生物多様性に配慮した持続可能な資源の利用などの取り組み推進並びに情報開示の充実を図ってまいります。

TNFD提言に基づく情報開示アプローチ

2023年9月にTNFD最終提言v1.0が公表されました。この提言では、ガバナンス、戦略、リスクとインパクトの管理、指標とターゲットの4つの柱に基づいた情報開示が求められています。
当社はLEAPアプローチなどを参考に、専門家による助言に基づき、グループの事業活動について分析を行いました。LEAPアプローチとは、TNFDが自然関連課題を評価するための統合的な手法として開発されたもので、LEAPに基づく分析・評価の実施が推奨されています。

TNFD提言の4つの柱

ガバナンス

自然関連の依存、インパクト、リスクと機会の組織によるガバナンスを開示する。

戦略

自然関連の依存、インパクト、リスクと機会が、組織のビジネスモデル、戦略、財務計画に与えるインパクトについて、そのような情報が重要である場合は開示する。

リスクとインパクトの管理

組織が自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を特定し、評価し、優先順位付けし、監視するために使用しているプロセスを説明する。

測定指標とターゲット

マテリアルな自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を評価し、管理するために使用している測定指標とターゲットを開示する。

出所:「自然関連財務情報開示タスクフォースの提言」より

LEAPアプローチのイメージ

図 LEAPアプローチのイメージ

4つの柱に基づく取り組みの概要

ガバナンス

体制

当社は社会課題への対応を推進するため、CSO(最高サステナビリティ責任者)に代表取締役社長が就き、グループのサステナビリティに関する取り組みを推進しています。併せてサステナビリティに関連する部署の組織長が委員として出席する「サステナビリティ委員会」が核となり、脱炭素及び自然資本・生物多様性などのサステナビリティに関する重要課題を検討し、方向性を決めています。さらにこの委員会の配下にワーキンググループ等を設置し、特に重要な課題に対する施策等を検討し、取り組みを推進しています。

戦略

自然資本への依存と影響の把握

当社が事業活動を行うに当たっては、店舗の建設や運営により自然環境に影響を与えており、また商品を開発・販売する段階において木材や水、その他原材料などの天然資源を利用しています。これらの事業活動は豊かな地球の恵みに大きく依存しており、生物多様性が維持されていなければ当社の事業活動も持続可能ではなくなると考えています。
そこで、原材料の調達から商品の製造、物流、店舗の運営に至るバリューチェーン全体を通じた事業活動において、自然資本の依存と影響を把握し、その保全と再生に向けた取り組みを行っています(詳細は後述の「グループ全事業における依存と影響の分析」以降を参照)。特に、バリューチェーンの中で自然資本に依存している原材料の調達段階において、「ローソングループ調達方針」※4を制定し、生物多様性などに配慮した認証原料を使用した商品の開発・販売、資材の利用、廃棄物の削減などを進めています。
今後も、生物多様性の保全など、生態系を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め、反転させる、ネイチャーポジティブ※5の実現に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。

リスク管理

管理体制

当社では、事業活動を行う上で経営に重大な影響を及ぼすリスクを識別してそのリスクがもたらす影響の大きさを分析し、リスクの特性に応じた対応を実施するため、CRO(最高コンプライアンス・リスクマネジメント責任者)のもと、全社横断型の「コンプライアンス・リスク管理委員会会議」を設置しています。その会議において毎年事業活動に関わるリスクを洗い出し、リスクシナリオを作成しており、気候変動や生物多様性、人権等の社会課題に関連するリスクについても把握しています。また、作成されたそれぞれのリスクシナリオを「影響度」と「発生頻度」で評価して、財務状況、経営成績及びキャッシュ・フローの状況、戦略面に重大な影響を及ぼすものを重要リスクとして設定し、リスク発生の予防や起きた場合の被害の軽減等に取り組んでいます。

指標と目標

環境ビジョンの設定

当社の創立50周年に当たる2025年及びSDGsの目標年である2030年をターゲットに、社会・環境面に関わる目標(KPI)を策定し、達成に向けて取り組んでいます。さらに脱炭素社会を2050年に実現し、青く豊かな地球環境を未来につなげるために、長期目標として環境ビジョン「Lawson Blue Challenge 2050!」※6を策定しました。「CO2排出量削減」、「食品ロス削減」、「容器包装のプラスチックやレジ袋の使用量削減」などの環境課題に対応した取り組みを進め、2025年及び、2030年、2050年の目標(KPI)の達成に向けチャレンジしていきます。

グループ全事業における依存と影響の分析

グループの事業とそのバリューチェーンにおいて、自然とどのような関係にあるかについて分析を行いました。例えば、店頭で販売しているおにぎりを製造する場合、お米や具材などの原材料ができるまでの間にさまざまな自然資本の恩恵を受けています。一方で、おにぎりを製造する過程では、エネルギーの消費やGHG(温室効果ガス)排出など、自然環境に対して事業活動が影響を与えています。

自然と事業活動の関係性

図 自然と事業活動の関係性

そこで、グループの属する事業セクターにおける自然資本への依存と影響について、ENCORE※7を用いて分析を行いました。
グループで展開する5つの事業セグメント(国内コンビニエンスストア事業、スーパー事業、エンタテインメント関連事業、金融関連事業、海外事業)における直接操業とバリューチェーンの上流・下流を分析の対象としています。

  • ENCOREとは産業分類に基づき、企業の事業活動、生産プロセスごとに、自然資本への依存度と影響度を特定するためのツール。

グループの事業セグメントと産業分類の整理

図 グループの事業セグメントと産業分類の整理

まずは、グループの各事業セクターの直接操業とバリューチェーンに関わりある産業分類の整理を行いました。ENCOREを用いて、この産業分類における自然資本との依存と影響の度合いを「Very High(VH)=5」~「Very Low(VL)=1」の五段階でスコアをつけ、その平均スコアを算定しました。

産業分類別の依存と影響の評価

図 依存、影響

分析の結果、グループの事業全体において、依存度が高いのは農・畜・水産物の生産などの「原料供給」と「水(供給)」、土壌保持などの「原料生産の環境整備」であることが明らかとなりました。一方で、影響度が高いのは、農・畜・水産物の生産の過程で使用される肥料や飼料などに由来する「固形廃棄物」、「原料供給」、「水(利用)」、店舗の建設や輸送などに由来する騒音や光などの「生物への直接的な悪影響」、「GHG排出」などであることが明らかとなりました。

グループ事業における依存と影響の主な事例

  評価項目 グループにおける主な事例
依存 原料供給 商品(弁当、おにぎりなど)の原材料の生産
水(供給) 原材料の生産過程や店舗での使用
土壌保持などの原料生産環境整備 原材料の生産過程
影響 原料供給 原材料調達における資源の利用
水(利用) 原材料や商品製造での使用、店舗での使用
騒音や光などの生物への直接的な悪影響 土地の開発、店舗の建設
GHG(温室効果ガス)の排出 店舗での電気使用、原材料調達、商品配送などのトラック利用
廃棄物・汚染物質の排出 食品廃棄物、輸送における大気汚染物質

自然資本への依存と影響の大きい原材料の特定

グループ全事業において、特に自然資本への依存と影響の度合いが高いのは主力の商品・サービスに伴う「農・畜・水産物の生産」であることを特定しました。農・畜・水産物の中でも、特に自然資本への影響が大きい原材料がリスト※8としてまとめられています。この中で、コーヒー豆はグループとして取扱量が多いことから、さらに掘り下げた分析を行いました。

自然資本への影響が大きい原材料のリスト

  • 牛肉
  • ココア
  • コーヒー豆
  • 綿
  • 乳製品
  • 水産物
  • トウモロコシ
  • パーム油
  • 豚肉
  • ジャガイモ
  • 鶏肉
  • 大豆
  • サトウキビ
  • 木材
  • タバコ
  • 小麦
  • その他
  • 自然分野における目標設定に関するフレームワークであるSBTs for Natureが公開。2024年7月現在で30種類以上が対象となっている。

コーヒーバリューチェーンにおける分析

依存と影響の評価

コーヒーバリューチェーンを「農地造成」、「原料生産」、「加工・焙煎」、「流通」、「販売」に分解し、依存と影響の関係を明らかにしました。
コーヒーバリューチェーンの中でも上流側の「農地造成」、「原料生産」の段階において、自然との依存と影響の度合いが高いことがわかりました。依存度は天候の安定・制御機能といった「GHG」や「水の供給」が高く、一方で影響度は、廃棄物の排出などの「固形廃棄物」、騒音や光などによる「生物への直接的な悪影響」、「水の利用」が高いことがわかりました。
なお、ENCOREによる評価は一般的な数値のため、グループのバリューチェーン特性を踏まえて一部定性評価を実施し、下記の表に反映しています。

コーヒーバリューチェーンにおける自然との関係性

図 依存と影響の評価

コーヒーバリューチェーンにおける自然資本との関係性(Very High、Highのみ抜粋)

図 コーヒーバリューチェーンにおける自然資本との関係性

リスクと機会の整理

グループの事業におけるリスクと機会は、自然との依存と影響の関係に大きく左右されます。今後実施予定のシナリオ分析に先立って、TNFD提言に基づくセクター別のガイダンスを活用し、コーヒーバリューチェーンにおいて想定されるリスクと機会の整理を行いました。

コーヒーバリューチェーンにおけるリスクと機会の整理

リスク/機会 分類 想定される主なリスクと機会の例
物理リスク 急性 気温の上昇などによる収穫量の減少、調達コストの増加
渇水、干ばつなどによる収穫量の減少、調達コストの増加
自然災害による収穫量の減少、調達コストの増加
慢性 平均気温の上昇による栽培適地変化による調達先の変更負荷
自然の受粉媒介者の減少による、機械・手作業による受粉のためのコストの増加
自然災害の緩和機能(気候調整、洪水緩和、土壌保持など)の減少による災害保険費用の増加
移行リスク 政策・法律 GHG排出規制強化による対応コストの増加
自然資本に関連する法規制強化による対応コストの増加
技術 環境負荷の少ない農法への対応コストの増加
食品廃棄物発生を抑制するシステムへの移行コストの増加
市場・評判 原材料調達における環境配慮への遅れによるブランドイメージの低下
廃棄物発生抑制の対応遅れによるブランドイメージの低下
機会 資源効率 節水や水のリサイクル技術の導入による水の使用量の削減
物流の効率化と適正化によるエネルギー消費量の低減
製品・サービス 消費者のライフスタイルや嗜好の変化に応じた、持続可能な認証を受けた食品及び農産物の提供増加による売上の増加
食品ロスの再利用による収益の増加
評判 環境配慮型商品・サービスの開発によるブランドイメージの向上

主要リスクの詳細分析

コーヒーバリューチェーンにおいては、水資源への依存と影響が大きく、さらにリスクと機会においても多大な影響があります。また、地域によって水リスクの重大性は大きく異なります。
当社では店内淹れたてコーヒーサービス「MACHI café(マチカフェ)」を展開しており、使用するコーヒー豆の調達国・地域は、当社事業にとって重要な土地といえます。当社のコーヒー豆の主要な調達先であるブラジル、コロンビア、グアテマラ、タンザニアの農園の所在地(計12カ所:拠点A~L)において、水資源に関わるリスクについて評価ツールである「Aqueduct※9」を活用し、分析を行いました。

  • WRI(World Resources Institute:世界資源研究所)が提供する水リスクの分析ツール。住所情報をもとに、指定したリスク種について該当地点のリスクをLow~Extremely-Highまでの6段階で評価。

分析対象とした水リスク種類

リスク種 説明
水ストレス 純粋な取水量を示す総水需要をもとに算出されるリスク
水の枯渇 供給量に対する消費量を表わす
洪水リスク 洪水の起きやすさ、想定被害人口の双方から、年平均の被害人数を算出
干ばつリスク 干ばつの起きやすさ、想定被害規模の双方から、年平均の被害規模を算出
水質リスク 2つの指標を統合的に判断
  • 未処理の接続済み下水道
    下水道に接続している排水のうち、一次処理がなされる水の割合
  • 沿岸富栄養化ポテンシャル
    沿岸における藻類の大量発生が起きる可能性を算出。窒素、リン、ケイ素が現状、河川にどれほど含有されているかを計測

拠点別水リスク分析

図 拠点別水リスク分析

主要リスクの管理

コーヒー農園との取り組み

店内淹れたてコーヒーサービス「MACHI café(マチカフェ)」は、2011年のサービス展開当初から生産者・労働者の人権向上に取り組み、自然資本や生物多様性の保全を目指す農法を利用し、レインフォレスト・アライアンスの持続可能な農業基準を遵守する、レインフォレスト・アライアンス認証農園産のコーヒー豆※10を使用しています。毎年、認証農園産の割合を増やし、2015年にはコーヒー、カフェラテ(ホット、アイス)用のコーヒー豆において認証農園産の割合を100%※11とし、その使用を継続しています。
また、コーヒー農園や生産地域を指定し、中長期的な取引関係を築くことで、農園の経済面での安定を図り、人権尊重や生物多様性保全の取り組みに対して支援を進めています。

レインフォレスト・アライアンス認証のロゴマーク

レインフォレスト・アライアンス認証要件に則った主な取り組み

項目 内容
人権尊重 児童労働、強制労働、差別、職場内暴力とハラスメント防止体制の整備
ジェンダー平等と女性のエンパワーメント促進体制の整備
農園従事者の最低賃金を保証する要綱を設定
労働者の労働環境(勤務時間、休暇や福利厚生等)に関する要綱を設定
労働者の健康と安全(清潔なトイレ設置、安全な飲料水の確保等)を守る要綱を設定
環境保全 GHG排出 生産、加工処理に使用するエネルギーの適切な管理
廃棄物 人や自然生態系にリスクをもたらさないための廃棄物の適切な管理
水リスク 加工処理排水の適切な管理
3年に1回以上の土壌評価と水分量を最適化するための土壌管理
水生生態系に隣接する河畔緩衝帯(河川と農地の間に緩衝地帯の設置)の維持
土地利用 自然林や自然生態系が農業生産などの土地利用に転換されないことを確認(2014年以降)

当社のコーヒーバリューチェーンは自然資本に依存しており、またコーヒー生産者をはじめとした多くの関係者によって支えられています。
一方、森林破壊の80%近くは農業活動に由来しているといわれており、コーヒー豆の調達において強制労働や児童労働、資源の過剰利用や不適切な廃棄物管理のリスクもぬぐえません。
これらの課題とリスクを回避し、人権を尊重し自然環境を保全する、即ち持続可能なコーヒー豆を調達するために、当社はレインフォレスト・アライアンス認証農園産の原料使用を推進しています。
もちろん、認証原料を使用することですべての課題やリスクが解消されるわけではないと認識しています。当社は、レインフォレスト・アライアンス認証の取り組みのみならず、さまざまな取り組みでより持続可能な社会づくりに貢献していきたいと考えております。

水リスクへの対策

Aqueductによる産地ごとの水リスク分析において、コーヒー農園は主に洪水リスク(河川)と水質リスクが高いと特定されましたが、レインフォレスト・アライアンスの認証要件や農園独自の対策により、高リスク領域をカバーする対策が講じられていることを確認しています。

水リスクへの対応策~レインフォレスト・アライアンス認証要件~

図 水リスクへの対応策~レインフォレスト・アライアンス認証要件~

ブラジルIpanema農園での水資源の適切な使用例

ドリップ式灌漑設備

コーヒーの木を栽培するための灌漑設備を導入し、年々その導入区画を広げています。灌漑設備を利用することでコーヒーの木の乾燥を防止し、生産効率の向上や生産量の安定化を図っています。Ipanema農園で導入しているドリップ式の灌漑設備は直接コーヒーの木の根に水分を供給するため、ピポッド式と比較すると3~4倍効率がよく、水資源の節約ができる方式です。

精選設備

コーヒーの実から果肉などを取り除きコーヒー生豆を取り出す精選工程では、収穫後の水洗いや水の浮力を利用した選別、生豆の周りにあるミューシレージ(粘液質)を除去するために水に漬けて発酵させるなど、多くの水を使用します。Ipanema農園では各工程の水使用量を調査し、最適な使用量に調整することで、コーヒーの実を精選する際の水使用量を毎年削減しています。2023年にはコーヒーの実1リットル当たりの水の使用量を2019年比で約40%削減しました。

図 精選設備と精選施設における水資源使用量推移(ML/L)

水リスク以外の社会・環境対策

コーヒー農園における社会課題対応への支援

コーヒー農園で働く労働者、そして農園の近隣の地域の人々がより暮らしやすくなるように、それぞれの農園では労働者や地域の人々を支援する取り組みを実施しています。コーヒー豆を使用する当社としても、それらの農園の取り組みを一部支援することで産地や生産者の持続可能性を高めるお手伝いをしています。
2022年にはMACHI caféの10周年を記念して「コーヒー生産者に『ありがとう』を伝えようプロジェクト」を展開し、お客さまからの投票で「気軽に安心して手を洗い、水を飲める未来を!」が選ばれました。タンザニアAVIV農園にウォータータンクの設置や、給水車による農園訪問を実施し、井戸から遠い人々も含めてコーヒー生産に携わるすべての人が気軽に安全な水にアクセスできる環境を整備しました。
このほか、孤児院への本の寄贈による教育支援や、農園で働く人への寄付などの、産地や生産者の支援を行ってまいります。

画像 AVIV農園設置のウォータータンク
AVIV農園設置のウォータータンク
画像 子どもたちへの支援 
子どもたちへの支援

コーヒー農園における環境対策

ブラジルIpanema農園は、自然環境などに配慮した生産者に与えられる認証をいち早く取得し、資源の適切な利用など、自然や人への影響を最小限に抑えた持続可能なコーヒー栽培を行うとともに、環境保護や生物多様性の保全に積極的に取り組んでいる農園です。
2002年から生物多様性の保全のため455,000本以上※12の植林を実施しています。原⽣林の苗⽊を育成する施設や、野⽣動物や⽣態系をモニタリングする環境モニタリングセンターを建設し、気象データ、原⽣林の種⼦、野⽣動物のデータを収集しています。また、 270の養蜂箱を有し、さまざまな在来植物の受粉を促して生物多様性を高める活動をしています。

画像 原生林の苗木を育成する施設
原生林の苗木を育成する施設
画像 養蜂箱
養蜂箱
  • 2002年から2023年までの累計

コーヒーのバリューチェーンにおける環境保全活動

プラスチック削減

MACHI caféのアイスメニューのカップを紙製に変更し、さらにストローを使用せずに飲める上蓋に変更することで、プラスチック使用量を削減しています。
また、一部店舗ではお客さまご持参のタンブラーで提供することで、資源の節約を進めています。

GHG排出量の削減

脱炭素社会の実現のため、全国に張り巡らせた物流網の効率化を図るとともに、環境対応車両などの導入により環境負荷の低減に取り組んでいます。
異なる温度帯の商品を1台で運搬する二室式二温度管理車両の導入や、配送回数を1日3回から2回に切り替えるなど、共同配送や配送頻度の適正化を進めています。
また、AIによる店舗配送ダイヤグラムの最適化やエコタイヤの導入、エコドライブの推奨、水素を燃料とした燃料電池小型トラックの導入などを通じて、配送時のGHG排出量削減に取り組んでいます。

その他の環境保全活動

認証原料を使用した商品の開発・販売

豊かな地球の恵みを次世代へ引き継ぐため、「ローソングループ調達方針」に基づき、生物多様性などに配慮した認証原料を使用した商品の開発・販売、資材の利用を進めています。
オリジナル品のペーパーカップや飲料用の紙パックなどに、適切に管理された森林から生産された木材や、再生資源、その他管理された供給源の原材料を使用した「FSC®認証製品」や「PEFC認証製品」を採用しています。
全国で展開している「農地所有適格法人ローソンファーム」では、適切な農場管理体制を構築するため、農業において、食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための生産工程管理「GAP(JGAP、ASIAGAP)」認証の取得に取り組んでいます。

ローソン緑の募金による緑化活動

地球に生きるすべての生き物にとってかけがえのない財産である森林を将来に残すため、1992年から「ローソン緑の募金」活動を継続しています。
これまでに皆さまからお寄せいただいた善意とローソン本部寄付金を合わせて、公益社団法人国土緑化推進機構を通じて、小・中学校・特別支援学校などにおける緑化活動や森林整備活動に役立てられています。

今後の推進計画

グループの事業活動におけるバリューチェーンでは、原材料の調達段階において自然資本に大きく依存しています。そのため、商品における生物多様性への対応について、サステナビリティ委員会配下のワーキンググループ等において、方針の策定をはじめ、リスク管理などの取り組みを進めていきます。
特に原材料の調達段階においては、生物多様性などに配慮した認証原料を使用した商品の開発・販売、資材の利用を進め、認証原料の使用に関する指標及び目標の設定を検討してまいります。